オメガ脂肪酸が脳や心臓血管系に望ましい効果を持つことは、古くから知られている。もっとも古い記述は、旧約聖書のダニエル書にある有名な“バビロンの虜囚”のところで、ネブカドネザール王にとらわれているユダヤ人が宗教的に許されている食事をしたいと願い、許されてパルスという食物をとっていたところ、10日後にはバビロン人の誰よりも10倍も聡明になったとある(1)。このパルスという食物については最近まで何かわかっていなかったが、アメリカでの研究により、ナッツや穀物の混合物であり、その原料からみてオメガ3不飽和脂肪酸を多く含んだものであったことがわかった。
フランスのブーリー博士他(2)は、脳神経細胞中の脂肪酸の量を測定し、脳細胞中には多量の不飽和脂肪酸が存在してていることを見出し、その中の個々の不飽和脂肪酸の量を測定している。またオメガ3とオメガ6不飽和脂肪酸が、脳細胞の組成をコントロールしえいることを見つけている。脳細胞膜内のオメガ3とオメガ6脂肪酸は、食物中のαーリノレン酸とリノール酸が体内で代謝されて出来るが、一方のみを供給すると他方のオメガ不飽和脂肪酸が減少するシーソーのような現象が起こることも突き止めている。
アメリカのギンズバーグ博士他は(3)、脳細胞膜中のオメガ不飽和脂肪酸が変化すると細胞膜の最適温度が変化して、体温では正常に保たれないで委縮してしまい膜の流動性がなくなり、レセプターが動かなくなって細胞が機能しなくなることを実験で確かめ、オメガ3とオメガ6不飽和脂肪酸の脳細胞膜中の含量を正常に保つことの重要性について報告している。脳細胞膜が正常に機能しなくなると、脳が使える唯一の栄養源であるブドウ糖の取り込みができなくなり、脳細胞は栄養不足で機能しなくなる。又、アルツハイマー症で死亡した患者の脳で、病変した部分の細胞では、オメガ脂肪酸が減少しており、病変のなかった部分ではオメガ脂肪酸が正常であることを報告している。
イスラエルのイェフダ博士は、これらの報告から、脳細胞膜を正常に保つためには、オメガ3とオメガ6不飽和脂肪酸の量を正常にする必要があること、オメガ脂肪酸の一方のみを補給すると他方が下がってしまうということから、適当な比率でオメガ3とオメガ6を与えなければならないのではないかと考え、いろいろな比率を実験してみて、αリノレン酸1とリノール酸4の比率がもっとも効果があることを見つけている(4)。これに対してアメリカ、日本をはじめ、先進国で特許が成立している(5)。
さらにイェフダ博士は、アルツハイマー症にかかった脳細胞でオメガ脂肪酸が減少しているなら、これを補給してやれば症状が改善するのではないかと考え、二重盲検法を用いてアルツハイマー各種症状に対する効果を調べたところ、症状によって50-80%の高率で改善効果を上げている(6)。これについても日本を含む先進国で特許が成立している(7)。
イェフダ博士のもう一つ発見は、リノール酸とαリノレン酸の純品を4:1の比率で混合して作成した試験薬に、食用油に多量に含まれている飽和脂肪酸を少しづつ加えてみたところ、一定量以上を加えると、すでに見られていた効果がなくなることを見出した。これが、いままで、食事からオメガ脂肪酸を補給しても、見るべき効果がなかった原因と考えられる(8)。
イェフダ博士の実験でも明らかなとおり、ボケの諸症状をはじめ、食事から取る栄養のバランスが悪いために起こる症状やブドウ糖の供給不足からくる、例えば “いらいら”、“きれやすい”、“眠りが浅い”、“鬱状態になっている”、“やる気がない”、“寝起きが悪い”、“活力がない”、といった時には、脳細胞中のオメガ脂肪酸の欠乏があるので、上記の実験結果に従ってリノール酸とαーリノレン酸を補給するべきことを考えるべきである。脳の各部分は、全身のあらゆる状態を支配し、正常に保つ働きをしている。このような重要な働きをしている脳細胞を活性化することによって、全身の状態に好ましい影響が出ることが予想される。
わが国では15-20年前までは、魚を多く食べ肉が少なかったことから、リノール酸とαリノレン酸の摂取量は、ほぼ4:1となっていた(国立健康栄養研平原)(9)。 ところが、近年急速に欧米型の食生活になり、かつコンビニの発達などで、特に子供の偏食が問題となっている(女子栄養大足立)(10)。一方で循環系への配慮からリノールサラダ油などが喧伝され、リノール酸摂取過剰になっている。リノール酸の生産量の増加とアトピーの発現数のカーブが一致しているとの報告もあり(脂質栄養学会)(11)、あちこちで栄養のアンバランスの影響がでている。このような報告を総合すると、脳へのオメガ脂肪酸の補給は正常に行われておらず、その結果ブドウ糖の取り込みも充分でなく、脳細胞のエネルギー不足が原因とみられる障害が多発している。
オメガ脂肪酸の補給はアルツハイマー症やうつ病などの病気の原因を治療するものではないが、病気の影響を受けない部分の脳細胞が活性化し十分なエネルギーを取りこんで、本来あった機能を果たすようになる助けになるものである。

アウエイクの開発者であるイェフダ博士の研究ページ
>>アルツハイマー改善効果(ページ下部の表をご覧ください)

DHA・アラキドン酸 サプリメント アウエイク
(1) The Old Testament, King James version Daniel Chapter l
(2) Essentiality of w3 Fatty Acids for Brain Structure and Function: Jean-Marie Bouree, et.al.World Rev. Nutri Diet, Basel, Karger, 1991
(3) Evidence for a Membrane Lipid Defect in Alzheimer Disese: Lionel Ginsberg, et.al. Molecular and Chemical Neuropathology Vol.1 19.1993
(4) Modulation of learning, pain thresholds, and thermoregulation in the rat by preparations of free purified αーlinolenic and linoleic acids: Determination of the optimal ω 3-to- ω6 ratio:Shlom Yehuda and Ralph Carasso, Proc. Natl. Acad. Sci. Vol. 90
1993 Ne urobiology
(5) 日本特許 2675560 US Patent 5699840他
(6) Esse.ntial Fatty Acids Preparation (SR-3)Improves Alzheimer's Patients Quality of Life:Shlomo Yefuda, Sharon Rabinovitz, Internatinal J. Neuroscience, Vol. 87 1996
(7) 日本特許 2810725 US Patent 5488776
(8) 日本特許 2675560 US Patent 5488776
(9) 第9回日本脂質栄養学会 我が国の国民栄養調査成績から見た日本人のn-6系多価不飽和脂肪酸及n-3系多価不飽和脂肪酸摂取状況 国立健康栄養研平原文子他
(10) こどのも食事がおかしい NHKテレビ 女子栄養足立巳幸
(11) 第9回日本脂質栄養学会 討論